リフォーム
中古住宅のリフォーム

構造には木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造があります。住宅に最も多い木造にも軸組工法(在来工法)とツーバイフォー(2×4)工法があります。軸組工法の場合は大きい荷重を受けている柱は抜かない方が無難です。また柱を抜いた時は梁の補強をするなど構造的なチェックがいりますが、木なので現場で対応しやすく融通性の高い工法です。
ツーバイフォー工法は、床、壁が1枚の版として一体となって全体を支える構造ですから耐力壁をとって広くする、開口部を移動するとか、階段をつけて2階の床を新たに抜く、吹抜部に床をつくるというような間取りの変更を伴うリフォームはむずかしいと思ってください。耐力壁でなくても版と版が特殊な金物や接着剤で強固に取り付けられているので、建てたメーカーに相談した方がいいでしょう。内外装のやり替えは問題ありません。鉄筋コンクリート造や鉄骨造でも構造体をさわらない限りは間仕切りの変更は自由にできます。
プレハブ住宅の場合はあらかじめ構造を検討済のものを工場でつくって現場で組立てています。工法、構造もいろいろでメーカー独自のつくり方をしています。どこがどの程度までリフォームできるかはツーバイフォー工法と同様、メーカーに問い合わせた方がいいでしょう。
地下の利用

地下に居室を設ける場合は、法的に細かい制約があり、規模、衛生および安全面からもクリアしなければなりませんが、車庫、収納庫では居室ほど細かい規制はありません。1階の床面がかなり高い場合や、敷地が斜面で道路が低い場合は、掘削なども可能で車庫を設けることができます。延べ面積を100%使っていてなお増設したい場合は、容積率への不算入の条件を満たさなければなりません。高密度の都市型住宅では、多目的に地下階も利用できるように特例が設けられました。まず地下部分であること、住宅の用に供する部分であるか車庫であることです。住宅の用であり、居室である場合の容積率不算入の規模、条件は次のとおりです。
  1. 地下1層であること。地階の床面積の合計が、地上階の延べ面積の3分の1以下であること(車庫の場合は5分の1以下)。
  2. 衛生上、からぼりを設けたり1面以上の外壁を地上に設け、採光や換気が図れること。

寝室や火気使用室でなければ、2.を満たさなくても容積緩和は適応されますので、収納庫や車庫の増設はできます。敷地の上手な活用として、地下を利用される方法がこれからも増えてくると思われますが、建て替え時などに実施されると、もっと自由に計画できます。

地下に居室を設ける場合は、法的に細かい制約があり、規模、衛生および安全面からもクリアしなければなりませんが、車庫、収納庫では居室ほど細かい規制はありません。1階の床面がかなり高い場合や、敷地が斜面で道路が低い場合は、掘削なども可能で車庫を設けることができます。延べ面積を100%使っていてなお増設したい場合は、容積率への不算入の条件を満たさなければなりません。高密度の都市型住宅では、多目的に地下階も利用できるように特例が設けられました。まず地下部分であること、住宅の用に供する部分であるか車庫であることです。住宅の用であり、居室である場合の容積率不算入の規模、条件は次のとおりです。

  1. 地下1層であること。地階の床面積の合計が、地上階の延べ面積の3分の1以下であること(車庫の場合は5分の1以下)。
  2. 衛生上、からぼりを設けたり1面以上の外壁を地上に設け、採光や換気が図れること。

寝室や火気使用室でなければ、2.を満たさなくても容積緩和は適応されますので、収納庫や車庫の増設はできます。敷地の上手な活用として、地下を利用される方法がこれからも増えてくると思われますが、建て替え時などに実施されると、もっと自由に計画できます。

床や階段のきしみ

床のきしみは床を支えている梁や根太などの構造材の不足です。階段の場合は階段を構成している木が乾燥し、木と木の間にすき間ができたからです。
床のきしみは梁や根太の断面積不足か、根太間隔のあき過ぎによります。2階の床材の下は根太、梁と続き2階の床材を支えます。1階の床材の下は根太、大引き、床束、束石、地面と続き、1階の床を支えています。いずれも床材を取り払ってから補修工事に入ります。2階の床のきしみは根太の場合は前述のように根太の本数を増やし、梁が小さい断面積で問題ならば添梁や添木をしてボルトで締め付けます。1階の床の場合は、単なる床のきしみは2階と同様、根太の本数を増やします。床束の下部を点検し腐りや白アリの害があれば床束を取り替え、白アリの駆除をします。これは床をめくらないで床下点検口から床下に入り見つけることができます。
階段は、階段の踏板(ふみいた…段板)、蹴込板(けこみいた…踏板と踏板の間にたてにはめる板)、これらの板を受けている側桁(木造階段の踏板、蹴込板を支える斜め材)、裏板からできています。きしみは木が乾燥するか、踏板や蹴込板を支えている側桁の溝にすき間ができてでる音で、そこに木片や楔(くさび)を差し込みます。
普段の暮らしの地震対策

転倒防止のポイント

L字金具やZ金具、つっぱり棒などの転倒防止器具で家具を固定する。
食器棚のガラス戸や窓ガラスに飛散防止用フィルムを貼る。
本箱の本や食器棚のびんなどが倒れて飛び出さないよう、バンドをかけたり枠をつくったりする。
重いものを下の方に収納し、重心を低くする。
リフォーム工事の手順
(1)プランニング

法的規制の確認、周辺環境のチェック特に一戸建ての増築などは、法規制や隣地との関係をチェックしましょう。
マンションの管理規約やリフォーム協定のチェックマンションのリフォームの場合は協定などでフローリング工事の規制をしているマンションもあります。
間取りのラフプランの作成は、まず、どの部分のリフォームを最優先させるのか、よく相談しましょう。将来の生活や家族構成の変化も想定しておくことが大切です。

(2)資金計画
公的資金が活用できるか否かの確認
リフォームでも住宅金融公庫などの融資が受けられますし、自治体の助成事業があるところもあります。利用できるかどうか確認しましょう。民間ローンのチェック。税金のチェック。

(3)設計
設計者との打ち合せは、まかせっきりにせず、希望はきちんと伝えましょう。
工事内容の決定。
見積書の依頼。
予算組み。

工事日程の打ち合せには、天候など思わぬトラブルで遅れることもあるので、工期には余裕を。業者の都合で遅れた場合のペナルティーは事前に決めておきましょう。

建築確認などの各種届出を忘れると違法建築になることも。業者に出してもらうこともできます。

(4)施工

近隣への挨拶は、工事が始まる前には必ず、工事中や終わった後も忘れずに。

工事内容の現場確認は、設計図・見積書どおりに工事が進んでいるか、できれば毎日チェック。

(5)完成

工事内容の最終チェックは、工事もれや、汚れ、傷はないか、設備機器は動くかなど、引渡し時に業者立会いできびしくチェックしましょう

アフターサービスの確認は、契約前にも確認しておきましょう。

工事完了に伴う各種届出も忘れずに!
仮住まいなしのリフォーム

最近は施工方法の工夫や、建材、設備機器の進歩によって、以前なら引越しをしなくては工事ができなかったようなリフォームも、住んだままでできるようになりました。工事期間中、どこか別の家に引越してリフォームすると、日常のわずらわしさはなくなります。しかし、工事の様子を毎日チェックできるというメリットはなくなります。住んだままリフォームすれば日程や、工事内容を確認したり、ご近所に迷惑をかけていないかなど、気をつけることもできます。
ただし、その時の注意点としては、家具や荷物をリフォームしない部屋に運んだり、戻したりする手間がかかります。運ぶのは業者に頼むことはできますが、なかなかサービスでというわけにはいかないので、その場合の費用はかかると思われた方がよいでしょう。
工事終了時のチェックポイント

工事が終了すると、検査をします。この時、工事内容にもれはないか、設計図通りになっているか、汚れやキズ、すきま、浮きなどはないか、建具の取り付けはきちんとしているかなど、リストを作り、業者立会いで厳しくチェックしましょう。また、ドアやふすまなどは、実際に開け閉めしたり、設備機器は動かしてみることも大切です。
そして、この時点で不備があれば、すぐに直してもらいます。

また、大手の業者なら、工事終了後、住み始めて出てきたトラブルに対応するアフターケア制度を持っているケースがあります。そうした制度を持っているかどうかは、契約を結ぶ前に確認しておくことが大事ですが、もう一度保証期間や内容について確認されておく方がよいでしょう。住まいに近く、地域に密着している業者であれば、よりすばやく、きめ細かいアフターサービスに期待がもてます。
工事の予算オーバーの防止法

予算計画はリフォーム成功への第一歩。追加工事など予定外の出費で予算オーバーにならないためにも、事前にしっかり考えておきたいもの。
リフォーム工事は壊してみたら、予想以上に傷みがひどく、その修復に追加工事が必要になる場合もあります。なかでも多いのが、柱や梁の取替えや補強、給排水管の改修など。このようなケースは工事にかかってはじめて分かることが多いので、事前に床下や天井裏などをきちんと調査しておきましょう。また、リフォームは見ているところで工事が進むため、つい「ついでにここも」「ここはこうしたい」などと、工事の追加や変更を依頼してしまいがちです。素人からは簡単にできそうに見える工事でも、材料が多くかかったり、めんどうな作業になることもあります。できるだけ、工事途中の追加や変更は避けること、それが予算オーバーの防止につながります。また、工事費以外にも一般的に次のような予算を見込んでおく必要があります。
仮住まいの家賃や引越し費用・トランクルーム代など
工事期間中に仮住まいをする場合は、家賃の他に礼金や仲介料、引越し費用も2回分必要です。

近所への挨拶費用
隣や向いの家のほかにも、工事車両の出入りで迷惑をかけそうなところにも挨拶をしましょう。

工事の職人への茶菓子代
工事現場が住まいから遠いなどの場合にはケースバイケースで。大手工事業者は不要ということです。
建て替えかリフォームの選択

一戸建て住宅の場合、築年数が20年前後になってくると、年数に伴う老朽化の問題が起きてきて、大がかりなリフォームが必要になってきます。

リフォームの方がよい理由としては
  1. 仮住いをしなくてすむ場合が多い
  2. 引越しによる家具類の傷みが少ない
  3. 建て替えほど費用がかからないので、リフォームローンを利用しても負担が少ない
  4. 資金力に応じて必要な工事を順に進めることができる

逆に

  1. 白アリなどの被害により、柱・梁などが部分的もしくは全体的に強度を失っている場合
  2. リフォームするとしてもほとんど全面改装になる場合

などは、建て替えた方がよいでしょう。
どちらが得かは傷み具合や工事の範囲によって異なり、一概には言えませんが、通常、給配水管は15〜20年で取り替えの時期に入りますので、キッチン・お風呂回りなどをリフォームされる場合は一緒に配管の入れ替えもお勧めします。

平屋建てから2階建て住宅へのリフォーム

一般に平屋建てに2階をつける時、そのまま上にのせることはできないと思ってください。2階ができることを想定していない構造になっている場合がほとんどです。基礎や梁が上階の重みに耐えられないということです。2階建てにしたい時は、既存建物の外側に新しく基礎をつくり、添柱をたてて既存部分に荷重をかけないようにします。隣家側とのあきに人が入って作業ができない時は、内側からの工事になるので外壁をはがすことになり大変です。隣家側に柱をたてられない時は、長さにもよりますが既存建物の前後に柱をたてて2階をつくることもあります。
いずれにしても既存建物に手をつけずにすることはできませんし、敷地に余裕がなければなおのこと慎重な計画が必要です。既存建物のさわる所が多いほど工事も手間がかかります。工事費も新築より割高になるのが一般的です。
1階での建て増しの注意点

増築工事には1階部分で建て増す方法と2階を建て増す方法とがあります。ここでは1階での建て増しを取り上げます。
1階での建て増しは正味の建築面積が増えます。地域ごとに建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)が定められており、その範囲におさまっている必要があります。容積率(敷地面積に対する延べ面積の割合)についても同様です。これを守らないと地域の環境を悪くし、近隣の苦情を受けることになります。
別棟で建てて1度外に出る場合は問題はないのですが、既存屋内とどこかでつながないといけません。既存の出入口を利用できれば構造をさわらなくてすむので一番簡単です。壁を壊してつなぐ場合、在来工法で筋違が入っていたりする時は新たに補強した方がいいでしょう。2×4工法の時は壁そのものが建物を支えていますので、壁はぬけないものと考え、既存の開口部の利用を検討してください。鉄筋コンクリート造や鉄骨造の場合も構造体をさわらないようにして建て増すのであれば問題ありません。
やって良かったという満足感が得られないことには何にもなりません。2世帯となると設備も2世帯分になることがほとんどですが、1世帯分の給水、電気容量で足りないことも充分あります。1部屋増やす程度以上の建て増しなら専門家に相談された方が無難でしょう。
基礎以外の耐震対策

耐震的には、基礎や耐力壁が決定的な要因となり、屋根の重量も軽くするにこしたことはありません。また、雨漏りなどをそのままにしておくと、壁から土台まで知らない間に、腐食が進むことになるので、どのメンテナンスも大事といえます。
経年劣化した木造家屋では、土台や柱の根元が白アリにより腐っていて倒壊した例が多いと報告されています。日本の気候では、梅雨や年間降雨量から、屋根とか、軒の出は、充分にある方がよいということは、平成7年の阪神淡路大震災でも教えられたところです。
雨足が家の足元の基礎や腰壁を汚し、木造モルタル塗りの芯である木軸に、湿気が及んでいくからです。軒が充分に出ており、犬走りや、庭の排水も充分考慮され、水ハケの良好な住宅は、やはり耐久性も良い、つまり耐震的な構造であるといえます。
地盤の強さについて知る方法

どんなに建物が頑丈でも、それを支える地盤に問題があったのでは、地震による被害はまぬがれません。軟弱な地盤だと、その周囲より震度が大きく建物に伝わります。地盤調査は費用をかけて専門業者に依頼し、その地質を調べてもらう方法が最も正確です。でも、そこまでしなくても、ある程度の予想をつける方法がいくつかあります。

風景を読む
例えば、坂道を下がった先にある、水路が近くにある、沼や池が近くにある、車輛重量制限の交通標識のある道路が近くにある場合などは、軟弱地盤の危険信号地。逆に古くからのお寺や神社が近くにあれば、良好な地盤である確率が高いといえます。

地名を読む
○○台とか△△丘などは良好な地盤が多く、××谷とか□□沢などは低地で、軟弱地盤であることが多い。ただし、これはあくまで参考です。もう少し正確に知りたい方は市役所などに問い合わせてみてください。地質データを閲覧させてくれる場合もあります。 また、ニュータウンなどの傾斜地を造成して開発されたところでは、土を切り取ったり盛ったりすることでひな段状にしています。切土の部分はもともとの地盤が固ければ問題ないですが、盛土の部分はどうしても軟弱になりがちです。

リフォーム時の構造的な注意点

まず、してはいけないのは、むやみに壁を壊したり柱を抜いたりすることです。部屋を大きくとる場合や1階に駐車場を取りこむ場合など、柱や壁が邪魔になるケースが予想されますが、それらが家全体の荷重を支えている場合はもちろん、そうでなくても壊しても大丈夫なのかどうか、専門家や工事業者とよく検討しましょう。
それから平屋建ての上に2階を増築するような場合も、1階部分の柱や梁、土台、基礎が充分に2階を支えられるかどうか、専門家に判断してもらってから工事を進めたほうがよいでしょう。
工事開始前のチェックポイント

まず、工事業者から見積書をしっかり取りましょう。せっかくリフォームしたのに、できあがりがこんなはずではなかったとか、設計変更で思わぬ金額の請求書がまわってきたりすることがあります。これは口約束で追加工事を頼んだり、業者との間の決定事項を書類にしなかったり、しっかりと見積書を取らなかったりした場合によく起こります。見積書は手間賃だけでなく、工事終了後に契約通りの材料が使われているかなどが、調べられるような形式になっているか注意しましょう。

リフォームする際は、事前に工期をはっきり決めておくことが大切です。たいていの場合、業者は複数の工事を同時進行で進めていますので、ほかの現場との兼ね合いを重視する傾向があります。よって、工期が明確でないと後回しにされたり、工期が遅れることがあります。業者の一方的な都合によって遅れた場合のペナルティーについても、明確にしておくことが大事です。ただし、業者にも、思わぬトラブルがあったり、技術者の都合がつかなかったりと、さまざまな事情があります。長雨が続くと進まない工事もあります。そんな時に無理に工事期間内に終わらせようとすると工事が雑になり、思った通りに仕上がらないことになります。工期を決めるときは、ある程度の余裕を持ったものにし、こちらも柔軟にかまえておくことが必要です。

また、部材や機器は職人が運んでくるのではなく、メーカーなどから直接、工事現場へ配送されてくるのが普通なので、突然、洗面台やカーペットのロールが配達されてきたりします。広い庭や、倉庫をお持ちならあまり問題はありませんが、工事をしない部屋に置かなくてはならなくなると、そのために移動した家具や荷物の保管スペースをとられて困るという事態になることがあります。資材置場をどうするのかは、あらかじめ相談しておいた方がよいでしょう。

工事が始まると資材の搬入や職人の出入り、騒音、ホコリなど、何かとご近所に迷惑をかけることになりますから、必ず事前に挨拶しておきましょう。工事前の挨拶では工事期間がいつからいつまでなのか、作業時間は何時から何時まで、土・日曜、祝日は工事を休むのか、どんな工事をするのかといったことも話しておかれるとよいでしょう。工事中にも迷惑をかけていないか、声をかけるとなおよいでしょう。