水回り
キッチン・バス・トイレの2階への設置

給排水を伴う増改築は、水圧さえあればほとんどの場合、既製品のキッチンやユニットバスの中から選び設置しますので、比較的問題なくリフォームできます。漏水やメンテナンスの心配な部分ではありますが、規格化された製品を用いれば、品質管理がされているので安心です。
最近の住宅では、木舞下地の真壁付きという工法は少ないので、柱と間柱の間は中空で、その間にも充填されている断熱材を除けば、階上への給排水を配管することは可能です。電気の配線も同様です。給排水管は断熱材などを巻いておけば、結露防止、防音にも効果があります。
階上の水の音や足音などの遮音性も考慮して、低簾なプラスターボードを2重貼りにすれば、生活騒音もかなり減るでしょう。
キッチンの適切な寸法

一般的に発売されているシステムキッチンは高さ80cmと85cmまたは86cmが標準サイズとなっており、メーカーによっては個別に調節できるタイプもあります。人間工学からみた適正な調理台の高さは「身長÷2十5cm」が目安です。
しかし、キッチンの高さは使う人や使い方によって異なります。大切なのは、計算値よりも実際にキッチンに立つ人の実感。ショールームなどで実物の前に立ってみることをお勧めします。
また、共働きのご家庭では、奥さまだけでなく、だんなさまやお子さまの使いやすさも考慮してお選びください。
奥行きは60cmが標準ですが、最近では、より奥行きのあるものを希望する方が増えているようです。そのため65cmのタイプを用意しているメーカーも多くなってきました。
奥行きがあれば奥に物を置くこともできますが、手が届くかどうかを考えると、最大80cmぐらいまでが適当でしょう。
システムバスと従来の浴室の違い

在来工法による浴室は、各々の家ごとに大きさを合わせて現場で造ります。しかし、素材や大きさ・形などが自由に選べるという反面、工期が3週間程度と長くかかり、工費も高くなります。
システムバスとは、いわゆる既製品で、床・浴槽・壁パネル・天井パネル・ドアの各パーツを選び、現場でそれらを組み立てるものです。
工費が安く、軽量で工期も5日程度と工事が簡単ですし、防水性・断熱性にも優れています。また、工場生産のため、性能が均一。最近は在来工法のタイル貼りに劣らないほど、デザインやグレードのバリエーンョンも豊富です。
ただし、規格サイズのため、スペースが合わないと使えない場合もあります。
どちらにするかは、条件や希望をしっかり検討したうえで決定されることをお勧めします。
トイレの設備

温水洗浄便座
トイレに欲しい機能の1位は、ウォシュレットに代表される温水洗浄便座です。
「洗浄」「暖房便座」「温風乾燥」の基本機能に加えて、「脱臭」「抗菌」といった付加価値の付いた商品もたくさん出ています。

パネルラジエーター
風を起こさないふく射式暖房機器なので、においが気になるトイレに最適です。薄型なので場所もとりません。
浴槽の選び方

浴槽は大きさや、またぎ込みの高さ、形態、素材などが違うさまざまなタイプがあり、それらによって出入りのしやすさなどが決まってきます。そのため、浴槽を選ぶ際には念入りな検討が必要です。

和式
和式は深さがたっぷりあり、ひざを折って入るので、子どもと一緒に入ったり、肩までつかりたい人向きです。ただ、この入浴スタイルは水圧による影響で身体が収縮し、呼吸運動や心臓の働きが活発になり、心臓病や高血圧の人、あるいは高齢者にはあまり好ましくないとの指摘もあります。和式の基本サイズは、長さが80〜120cm、深さは60cm。

洋式
浅く長い浴槽に寝た姿勢で入浴できる洋式タイプは、体に無理な圧迫をかけません。
ただし、身体が浮くことがあり、肩までつかれないと寒く感じます。また、介護を必要とする人を入れる場合には、縁が低いので入れやすいのですが、滑りやすく立ち上がりにくいので、滑り止めや手すりが必要です。洋式の基本サイズは、長さが120〜180cm、深さは45cm。

和洋折衷式

和式と洋式の両方の長所を合わせたタイプ。肩までつかれ、適当に身体を伸ばすこともできます。最近はこのタイプがよく使われるようになってきました。和洋折衷式の基本サイズは、長さが110〜160cm、深さは60cm。
また、素材についても以前は種類も少なかったのですが、最近はいろいろな素材が選べるようになり、色も形も多種多様で迷ってしまうほどです。浴室のイメージに合った素材を選び、その素材に合ったお手入れをすることが大切です。

FRP
ガラス繊維で強化したポリエステル樹脂を使用、浴槽の素材として最も一般的です。なめらかで温かな肌ざわりが楽しめ、カラーバリエーションも豊富。
ただ、汚れや傷がつきやすいなどいくつかの弱点もみられますが、材質の改良が進んでいます。

ホーロー
鋼板ホーローと鋳物ホーローがあります。鋳物ホーローの方が厚みのある素材を使っているので重量感があり、丈夫で錆や腐食に強いなどの特徴があります。しかし、2階の浴室に置くには荷重対策が必要です。いずれもガラス質のホーロー層で仕上げられているので、特有のなめらかな肌ざわりと美しい色が楽しめますが、シャワーヘッドを落としたりして傷をつけると、そこから錆びるので充分な注意を。小さな傷はすぐにメンテナンスすれば大丈夫です。

ステンレス
何といっても傷や錆に強く、清潔な状態を維持しやすい点が根強い人気の理由。裏面に保温材を吹き付けてあるので保温性能にも優れ、金属特有の肌ざわりさえ気にならなければ、申し分のない浴槽といえます。

人工大理石
FRP系の高級仕様で、天然大理石風の色調と樹脂素材を生かした加工性のよさ、肌ざわりのよさといった特徴があります。豊富なカラーバリエーションも魅力です。材質にはしっとりとした肌ざわりで保温性抜群のポリエステルタイプ、硬質で衝撃に強く、色あせしないアクリルタイプなどがありますので、好みのものを選びましょう。
給湯器の種類

貯湯式
貯湯タンクにいったん水を溜めてから、ゆっくり加熱して沸かしあげます。
湯圧が低くおさえられているので、2階ではシャワーの勢いが不足するのが難点です。

元止め式
器具の付いているその1カ所のみに給湯するタイプです。
複数箇所の総湯やお風呂を沸かすためには、別に給湯設備が必要です。

先止め式
水が器具を通過する間に加熱されてお湯になる方式です。
使う分だけのお湯を、使う時につくるので無駄がありません。

セントラル給湯
浴室・洗面・キッチン・洗濯機カランなど複数の場所に一つの給湯器で給湯するタイプです。現在の主流ですが、さらにお風呂沸かしや暖房などの機能を一つのボイラーに集約したものもあります。
ガス瞬間湯沸器の能力は号数で表されます。家庭用のセントラル給湯は16号が主流ですが、最近では能力がアップした24号へと移りつつあります。24号給湯器だと、冬場でもキッチンとシャワーなど、2カ所でお湯を同時に使っても湯温・湯量が変化しません。
気泡風呂の効果

最近、温泉やホテルの風呂で体験した人が、その心地よさをわが家にも…と、自宅にも取り付けるケースが増えています。気泡風呂は“なんとなく心地よい”だけでなく、健康や美容面からみても、さまざまな効果があります。

入浴感を高めて、心身ともにリラックス
勢いよく吹き出す泡が浴槽いっぱいに満ちあふれ、身体を包んで弾ける心地よい刺激が入浴感を高めます。ゆったりとくつろいだ気分で、バスタイムを楽しむことができます。

自然界の「ゆらぎ」のなかでリラックス
そよ風、波の音、小川のせせらぎなどには、リラックスしているときの脳波や心拍に共通する周期や振幅のパターンがあります。この自然界にある心地よいリズム「ゆらぎ」は、私たちにやすらぎ感やりラックス感を与えてくれます。この「ゆらぎ」を気泡の出方に応用した機種があります。「ゆらぎの気泡」とは、一定のゆらぎのりズムを人工的につくり出し、それに合わせて気泡の出方がランダムに変化。絶妙の心地よさが味わえます。

温浴効果を高め、湯冷めしない
気泡が身体に当たって弾けるときに超音波を発し、熱エネルギーに変化するので全身がポカポカ温まります。身体の芯まで温まり、湯冷めしにくくなるので、冷え症の方もゆっくりおやすみになれます。

肩や腰の痛みをやわらげる
気泡が弾けるときに出る超音波には、身体中の細胞を細かく振動させる働きがあります。そのため、血行がよくなり、肩こりや腰痛もすっきり解消、筋肉疲労にも有効。徐々に痛みがやわらいでいくのが実感できます。

お肌をきれいに美しくする
超音波が皮膚の細胞を刺激すると、皮膚老化の原因となるアカや脂肪、老廃物などの汚れが落ちやすくなるため、毛穴の奥まですっきりします。新陳代謝もよくなるので、ハリのあるみずみずしい肌を保つことができます。さらに、気泡を生かしてエステティックやシェイプアップ効果も期待できます。