リフォーム入門
家族全員で、不満を整理してみよう

『今、住まいのどこに不満がや不都合があるのか?』を家族みんなで話し合うことからはじめましょう。家族それぞれが改善したいポイントを洗い出し、家族会議で絞り込みます。改善したい項目の絞り込みは、建物・設備の老朽化はもちろん、家族構成の変化や生活様式の変化などを重要なポイントとして考えます。
住まいの主な場所をピックアップしました。それぞれ思い当たる点の多い場所からリフォームを考えてみましょう。
【住まいの不満チェックリスト】
キッチン
動きにくい・暗い・寒い・機器の不調(コンロ、換気扇、給湯器etc)・収納が少ない
洗面室・浴室
タイルのはがれや破損がある・床、壁、天井のカビが気になる・機器が古い(浴槽、洗面化粧台、給湯器等)
トイレ
暗い・寒い・換気が悪い(ニオイがこもる)・機器が古い(便器、手洗い器等)
リビング
床、壁、天井の汚れが目立つ・収納が少ない・室内ドア、窓が開閉しにくい・暗い・寒い・窓に結露がある
その他の部屋(寝室、各人の個室など)
床、壁、天井の汚れが目立つ・収納が少ない室内ドア、窓が開閉しにくい・暗い・寒い・窓に結露がある
外装
バルコニー(ベランダ)、門扉、フェンスが錆びている・屋根瓦に割れ、ずれがある・外壁の塗り壁にヒビや剥離がある・雨どいに歪みや錆びがある
家族のニーズに合ったリフォームをしっかり把握する
家族の5年後、10年後、20年後など、将来を見据えて、家族が何人になりそうなのか?どう生活が変化するのか?を視野に入れて計画を練りましょう。インテリアやデザインなど、細かい部分は後からでも構いませんので、まず今後の暮らし方をいちばんに考えてプランを立てることが大切です。
リフォームとひとくちでいっても、目的によって改善する場所が変わってきます。それぞれの目的をくらべ、自分の家庭に合ったリフォームを見極めましょう。
家族構成の変化に応じたリフォーム
子供部屋を新設する、リフォームする・リビングを広くする・二世帯住宅にするなど
健康・快適さを目的としたリフォーム
湿気対策、結露対策、カビ対策・住まいのアレルギー対策・日当たり、採光、風通しの改善・お風呂を快適にする・シロアリなどの被害補修など
高齢者対応のためのリフォーム
段差解消・手すり設置・浴室リフォーム・介護用設備設置・トイレの和式から洋式への変更・階段のリフォーム・居室、寝室づくり.キッチンの改善・洗面室の改善など
水回りのリフォーム
キッチン、バス、トイレを2階へ移動・システムキッチンを導入・気泡風呂の導入・洗面室、トイレの改善、給湯設備を取り替えるなど
内装・インテリアのリフォーム
床材を取り替える・フローリングにする・壁紙を取り替える・収納を改善するなど
外装・エクステリアのリフォーム
外壁の塗り替え・外装材を取り替えるなど
諸設備のリフォーム
防音工事・冷暖房設備の改善・換気システムの改善・床暖房の設置・浴室暖房乾燥器の導入・ダニ、カビ、結露を防ぐ設備機器の導入など
家族の意見がまとまらないときは…
家族の意見がまとまらないまま、業者に依頼してしまうとプランに時間がかかったり、工事の途中でプランを変更することになったりして、時間と費用がかさむ結果となってしまいます。どうしても譲れない部分がある場合は、ノウハウを持ったプロや業者にすべての状況を話して、アドバイスを求めてみると良いでしょう。信頼できるプロなら、家族の意見を聞いたうえで、最善策を提案してくれるはずです。
一戸建てとマンションではリフォームの規則が違いますのでご注意を!!
自分が所有する住まいだからといって、自由にリフォームできるわけではありません。一戸建てとマンションには、それぞれにリフォームできる範囲があります。
一戸建ての場合は『建築基準法』の内容を事前にチェックする必要があり、マンションの場合は『管理規約』による規制をチェックすることが大切です。特にマンションは、意外な場所が共用部分と定められていることがあり、勝手にリフォームできないことがあるので、必ず確認するようにしましょう。
マンションリフォームのできること・できないこと
マンションの場合、いちばん注意したいのは、『管理規約』や『使用細則』による規制です。自分の所有するマンションなら、自分の使っている場所やものがすべて自分の所有物のようですが、場所によっては共用部分とみなされ、勝手にリフォームすることはできないことになっています。
部屋のリフォーム
構造的に問題がなければ、間取り変更も可能です。ただし構造が「ラーメン構造」などの場合、建物を支えている柱や梁を削ったり外したりはできません。またタイル壁などの壁で建物を支えている構造の場合も、壁を外したり穴を開けたりすることはできません。
※ラーメン構造とは、柱・梁の接合点がしっかり固定されていて、力がそのまま伝わっていくような構造。
玄関のリフォーム
玄関ドアも窓サッシも、防火などの性能を併せ持つ共用部分なので、勝手にリフォームするころはできません。ただし、防音や気密効果のために、窓の内側を二重サッシにしたり、玄関ドアの内側を塗り替えたりすることは一般的に可能です。管理規約などで確認してみましょう。
バルコニーのリフォーム
バルコニーのフェンスも、玄関ドアや窓サッシと同じく、本来は共用部分ですので、塗り替えることはできません。塗り替える場合は、管理組合で議決し、全戸の工事をすることになります。また、1階住戸の専用庭も同じく共用部分ですから、フェンスや植栽を変えたりすることもできません。
床のリフォーム
床は専有部分ですので、一般的にはリフォームがか可能です。床材を選ぶ際は階下への配慮を考え、防音性の高い床材を選ぶようにしましょう。またマンションによっては騒音などの点で階下に迷惑がかかる場合があるため、管理規約や使用細則で制限されるケースもありますので、特にカーペットからフローリングへの変更は、マンションによっては一切できない場合もあります。管理規約で確認し、管理組合に許可をもらうことが必要となります。
キッチンのリフォーム
キッチンや浴室など、水回りの変更には多くの制約があるため、位置の移動は難しいでしょう。また費用的に考えても、移動させない方が割安です。どうしても、という場合は、管理組合で保管している配管図面や構造図面を持参し、専門家に相談してみましょう
できる・できないリフォーム マンション管理組合の規約は必ずチェック
マンションの床をリフォームする場合、床は専有部分だからと独自でリフォームを進めていると、いざ着工という段階になってから、近隣宅に了承が必要だということがわかり、大騒ぎするケースが少なくありません。必ず自分の考えるリフォームプランに関する管理組合の規約には、事前に目を通しておきましょう。
できる・できないリフォーム 一戸建て増築する場合
家の大きさには各種法律や条例での制限があります。
 - 敷地に対する建築面積(建ぺい率)や延べ床面積(容積率)に関する制限
 - 斜線制限や日陰規制などによる、屋根の高さや勾配、建物の形に関する制限
 - 隣の土地との境界線や、道路から一定以上の距離をとることに関する規制
増築の場合には、これらの条件をすべてクリアするプランでなくてはなりません。家を建てた時と制限が変わっている場合もあるので、専門家への相談が大切です。
間取りの変更
一戸建ての間取り変更には、構造上取り外せない柱や壁がかかわってきます。1階と2階を貫く通し柱や、筋交いの入った壁は、基本的に取り払うことはできません。また水回りなど、配管が通っている部分の位置の移動はできますが、費用的にできるだけ固定させた方がよいでしょう。